株式会社イマジナ 代表取締役
B6判/208ページ/1500円+税/プレジデント社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 企業のブランドコンサルティングを多数手掛ける著者は、人材獲得競争が激化する時代に企業が生き残るためには人材教育こそが重要であると指摘した上で、「はじめに管理職の教育・育成が不可欠」だと述べる。管理職が優秀な人材をマネジメントするスキルを学び、会社の魅力や仕事の楽しさを体現できる存在となることで、社内への波及効果が大きく期待できる――ということだ。まずChapter 1では、指針理念こそが企業を永続させるための核であるとし、理念に基づいた “理念採用” と “管理職育成” の取り組みの重要性を強調する。
■ Chapter2と3では人材の「採用」に焦点を当て、採用にまつわる課題解決に向けた具体的な解説を行う。特に中堅・中小企業が採用で精度を高めるための実践的な方法を示し、経営者が “すべきこと、してはならないこと” を指摘。続くChapter 4と5では、「管理職育成」の手法を取り上げる。管理職の役割を “理念浸透” “経営方針の伝達” “マネジメント” “部下のキャリア形成” “セルフブランディング” の五つに定義し、管理職こそ、理念の浸透・体現に向けた取り組みである「インナー・ブランディング」の担い手であると説く。さらに、著者が代表取締役を務める株式会社イマジナが実施する管理職研修で扱う手法も引きながら、あらゆる企業が実践すべき “理念を伝える力” “部下を導く力” の養成に効果的な四つの観点で作成したプログラムを紹介。概念論にとどまらない研修の設計・運用ポイントが具体的に提示されている。
■ 管理職の姿勢は社内活性化にインパクトを与えるだけでなく、就活生、求職者への訴求ポイントにもなり、管理職育成こそが会社の発展のカギを握っていることが理解できる。採用と管理職の育成に悩む企業にとって、ヒントが得られる一冊だ。
内容紹介 多くの企業が今、「人材問題」に頭を悩ませている。採用にも苦戦する中、人口減少が進むことで、今後、ますます人材の獲得競争は激化していくだろう。 管理職が部下一人ひとりとしっかり向き合って、会社の理念や想いを明確に伝え、それを一人ひとりの社員の行動に確実に結び付けていく。こういった流れが、企業ブランドにもなっていくといえる。 経営者は、管理職の姿が企業の将来を左右するという現実を理解して、しっかりと管理職教育に眼を向け、伴走しながら育成をしていかなければならない。 |