食材盗み免職「重過ぎる」 学校調理員処分取り消し

 廃棄前の給食用食材を名古屋市立小学校から盗んで持ち帰ろうとしたとして懲戒免職処分になった元調理員が、市に免職などの処分取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は22日、「免職は重きに失する」として処分を取り消した。
 食品はパン2個と油揚げ2袋で、食中毒が発生した際に検査するため冷凍保存されていた。五十嵐章裕裁判長は、近く廃棄される見込みだったなどとし、財産的損害は相当軽微だと指摘。原告が過去に懲戒処分を受けておらず、反省していることも踏まえ「免職は妥当ではない」と判断した。
 判決によると、2022年2月、専用冷蔵庫にあった食材がなくなり、元調理員が食材を取ったと申告。市教育委員会は同5月、免職とした。
 市教委は「判決内容を精査して対応を検討する」とコメントした。
(共同通信社)