A5判/256ページ/2400円+税/ダイヤモンド社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 社員の成長を支援している「あなた」は、自分自身も成長を実感しながら仕事をしているのだろうか?――これは本書「はじめに」で示される人事担当者への問いかけの一つである。人的資本経営に代表されるように、現代では “人と組織” に関する問題がクローズアップされ、人事に求められる役割はますます多様化している。こうした時代において、人事担当者が仕事にやりがいと自信を持ち、キャリアを突き進んでいくにはどうすればよいのか。本書は、人事向けポータルサイト「日本の人事部」の協力の下、2022年に人事パーソンの学びとキャリアの実態について1500人以上から得た回答結果を、「仕事」「学び」「キャリア」の視点でまとめており、上記の問いに対する多くのヒントを提供している。
■ 第1章では人事の「仕事」をテーマに、人事が持つ役割・機能を整理した上で、諸機能が一つのチームとして連動する必要性を説く。また、人事の仕事の特徴を三つのキーワード(①新規課題沼、②エンドレスワーク、③社内ぼっち)でまとめつつ、人事の仕事の魅力にも言及する。第2章は「学び」を取り上げ、人事に求められる三つの専門性(①経営・事業の理解、②組織・人の理解、③社会・法の理解)や、ハイパフォーマーとその他の人事の学習行動の違いを取り上げ、経験学習の重要性などに触れる。第3章では、長期的なキャリア形成の方法について、「キャリア充実度」が低下する若手期、上昇する中堅期、停滞するベテラン期それぞれの課題と乗り越え方を詳述する。
■ 本書の特徴は、人事部という組織ではなく、人事部門で働く一人ひとりの個人としての「人事パーソン」に焦点を当て、現実に即した議論を展開している点である。また、人事部門で中心的な役割を果たしている5人の人事担当者へのインタビューを収録し、調査データだけでは見えないリアルな仕事の様相も伝えている。本書は人事パーソンとしてのキャリアに悩むすべての人の道しるべとなるだろう。
内容紹介 人と組織の課題が増殖し続ける “人事の時代” に生きる人事パーソンの「仕事」「学び」「キャリア」を徹底解明!! 人事部門で働く一人ひとりにスポットライトを当て、仕事・学び・キャリアを調査する日本初のプロジェクト『シン・人事の大研究』がついに書籍化! 人事パーソンは、何をどのように学び、いかにして充実したキャリアを歩むのか? 挑み、学び、変わる人事のためのガイドブック。 |