2024年08月09日掲載

BOOK REVIEW - 『アジャイルチームによる目標づくりガイドブック OKRを機能させ成果に繋げるためのアプローチ』

小田中育生 著
株式会社カケハシ エンジニアリングマネージャー 
A5判/288ページ/2600円+税/翔泳社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ アジャイルチームとは、実行と改善を短期間で繰り返し、速やかな意思決定により課題解決を目指す組織を指す。チーム内に一定の権限を付与し、意思決定の幅を広げることで、目前で起こる予測不能な出来事に対して現場レベルで柔軟に対応できるのが利点だ。アジャイルチームでは権限がフラットに分散されるため、メンバーの自律的な判断や行動が必須となる。本書は、従来のピラミッド型組織とは異なるアジャイルチームで、メンバーが成長し、めざましい成果を上げていくための目標設定と、これを基点とするチームづくりの要点を解説する。

■ 架空のチームの下、メンバーが目標と向かい合いながら成長し、達成するまでの具体的なプロセスを八つのSTEPで紹介。STEP1で目標設定に欠かせないメンバー同士の理解の深化について触れ、STEP2で目標設定に入る。いわゆる「SMARTな目標設定」による “改善領域の具体化” “目標の定量化” “達成時期の明確化” などの押さえどころのほか、目標設定フレームワーク「OKR」を通し、目指すべきゴールを明確にして目標への集中力を高める方法等、「ワクワクする目標」をつくるためのポイントを詳説する。STEP3~7では、設定した目標をチームのリズムやマインドの醸成、チーム内の開発生産性の計測などに生かすための施策を示し、STEP8で目標達成の振り返りについて言及する。

■ チーム結成の前段階からチームの運営、目標の振り返りまで、多くのトピックをさまざまな方法論を交えて実践的に紹介している。また、各トピックの導入部にメンバーが奮闘する姿を描いたマンガを掲載。内容を補足するSTEP末尾のコラムや説明の理解を助けるグラフ・図解、Q&Aによる課題解決のヒントを織り込むなど、目標設定・管理のテキストとして活用しやすくする工夫を随所に凝らしている。特に「リーダーに新任し、目標やチームとの向き合い方に悩む人」「目標設定が好きで、もっとうまくやりたい人」「目標設定が苦手な人」に一読いただきたい。

アジャイルチームによる目標づくりガイドブック OKRを機能させ成果に繋げるためのアプローチ

内容紹介
成果を生み出す目標設定にチームで向き合う!

チームでの開発において、メンバーのモチベーションを高め、同じ方向を向いて進むためにも、目標づくりは重要です。
しかし、開発に合わせて状況は常に変化するため、当初の目標を見失ったり、遠ざかってしまうことは少なくありません。

本書は、チームで成果を生み出ための目標設定と向き合い、実践し続けてきた著者が、
●目標を設定する
●目標と向き合う
●目標を達成した後
それぞれの過程で、やるべきこと、考えるべきことを架空の開発現場を舞台にしたマンガとともに、わかりやすく解説しています。

こんな課題を感じている方におすすめです。
●組織目標とチーム目標の兼ね合いがうまくいかない
●チームのモチベーションの上げ方がわからない
●心理的安全性を守れているかわからない
この本ではこういった悩みの解決できるプラクティスも多数紹介しています。
開発の中でチームが変化していく過程ごとにSTEPを区切り解説しているので、状況に適したプラクティスがわかります。

本書を通して、目標づくりの解像度を高め、よりよいチーム運営ができるため知識を身につけましょう!