2024年09月13日掲載

BOOK REVIEW - 『図解 労務入門 人事の土台をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』

坪谷邦生、岩田佑介、古茶宏志 著
株式会社壺中天 代表取締役、特定社会保険労務士、
株式会社ビズリーチ人事本部 人材組織開発部 人材開発グループ 

B5判変型/280ページ/2800円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■  本書は、『図解 目標管理入門』など、人事の注目テーマを図解を交えて分かりやすく紹介する「100のツボ」シリーズの4作目となる。著者の一人である坪谷邦生氏は、自身が運営する「壺中人事塾」にて企業の経営者や人事担当者を育成する中で、多くの塾生が「労務」領域で苦労する姿を見てきた。労務の仕事は、経営からの要望と現場からの問題が日々降ってくるため、その都度対応していくだけでは際限がない。そこで、労務の知識を体系的に理解・実践し、さらに最新の知識を手に入れる方法を学ぶことで、先手を打って体制を整えることを目指している。

■ 10のChapter(章)で構成し、章ごとに10個のツボ(ポイント)を紹介している。Chapter1では、「労務」の目的や役割、人材マネジメントとの違いなど、基本の概念を説明。Chapter2からは「労働法・就業規則」「社内秩序」「入社・異動・退職」などの労務分野に即し、メンタルヘルスケアやハラスメント対応、懲戒処分など実務で直面する問題について、法令をかみ砕き、具体例を提示しつつ解説する。理論を体系的に学べるだけでなく、日々の業務対応でも参照可能な内容・構成となっている。Chapter9、10の「体制」「労務担当者」では、労務部門としての業務体制・組織体制を構築するポイントや労務担当者として求められるスキル・スタンスのほか、キャリアパスの例も掲げる。

■ 図解と平易な表現で「労務」というやや堅いイメージのあるテーマを丁寧に解説。全100項目がすべて見開き2ページのQ&A形式で簡潔にまとめられており、自身の興味がある分野から “つまみ食い” することもできる。左ページに解説、右ページに図解という構成で視覚的にも理解しやすく、まさに人事の土台を築くための労務入門書といえる。また、Chapterごとに、さらに一歩踏み出したい読者へ向けた推薦書籍を案内するなど、知見を深めたい労務担当者にとっても役立つ内容となっている。

図解 労務入門 人事の土台をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ

内容紹介
◎労働法、就業規則、給与計算、入社・退社から、メンタルヘルス、ハラスメントまで………「労務」の基礎から実践までポイントをわかりやすく解説
◎Q&Aと図解で気になるところからすぐに読める!
◎労務担当者のための年間業務カレンダー・提出書類一覧付き

勤怠管理や給与計算、そして法改正への対応など「具体的なやり方」に焦点が当たることが多い「労務」。
現場で起きた問題に対応することは大切なことですが、果てしなく続くモグラ叩きのような状態になってしまいます。
これからの自社にとって何が大切なのか、先手を打って体制を整えていく必要があります。

本書は、労務の知識を体系的に、原則とともに理解すること、そして最新の知識を手に入れる方法を知ることができ、「あなたが実践できる」一冊です。