株式会社リンクアンドモチベーション フェロー
四六判/256ページ/2000円+税/日本経済新聞出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 本書は著者自身の人事コンサルタントとしての経験や、組織代表としてのマネジメント経験、さらに著者が経営に関わるリンクアンドモチベーション社が保有するフレームワーク、延べ45万人の若手社員から得たサーベイ結果等の膨大なデータを基に、「Z世代」の採用やマネジメントの悩みを解決するための本質的なマネジメントのメソドロジー(方法論)を示す。Z世代の社員は “突然退職する” “「モチベーションが上がる仕事」を求める” など、第1章で挙げられる “ありがちな傾向” には共感する方も多いだろう。一方で、著者はいわゆる「Z世代論」に懐疑的な立場を取り、若手社員の意思決定の背景には、時代や環境で変わることのない、働く上での本質が見えると指摘する。
■ 第2章では、約20年前から同社が実施する若手社員を対象としたサーベイの分析結果に基づき、Z世代の特徴を明らかにする。第3・4章では入社前後において必要なキャリア創りのスキルセットやマインドセットを提示し、さらに第5・6章では「入社後のオンボーディング」をテーマに、若手社員の心離れを抑止するメソドロジーを展開する。入社1~3年目、3~5年目、5~7年目と三つのステージごとに心境変化を細やかに捉えた対応策を掲げ、さらに要所で企業実例を紹介するなど、具体的な取り組みとその成果がイメージできる構成となっている。
■ 第7章では、企業と個人の関係性について、著者の違和感を踏まえ、「相互投資関係」への進化の必要性を説く。企業と個人が相互繁栄するためのマネジメントとはいかにあるべきか、考えを深めたい上司・リーダー層はもちろん、当のZ世代が読んでも高い納得感が得られるだろう。
Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー 内容紹介 新卒入社の社員は、30歳まで会社に在籍していた場合、その後も在籍し続ける可能性が高い。中でも30歳以下の特に若い世代の社員の定着が課題であり、近年、その重要度と難易度が急速に高まっている──。 そうした独自の分析結果をもとに、いわゆる「Z世代論」に懐疑的な著者が、対症療法的なマニュアルではない、若手に対する本質的なマネジメントについて解説します。Z世代のマネジメントに悩むすべての人に向けた一冊です。 ■目次■ |