株式会社これあらた 代表取締役
A5判/304ページ/2300円+税/同文舘出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 人的資本情報の開示が企業に求められる中、エンゲージメント調査は有効な取り組みとして浸透しつつある。しかし、実際には「実施することが目的になってしまっている調査」と従業員に感じさせていることも多いと著者は指摘する。そうした受け止めにならないよう、調査実施に当たりどのような点に留意すべきだろうか。本書はエンゲージメント調査の導入から設計、対策まで、自社内で実施するために必要なノウハウを網羅した解説書である。
■ 本編は三つのパートで構成される。第Ⅰ部の理論編は、人的資本経営の基礎的な考え方からエンゲージメント調査の意義が理解でき、調査の全体像が把握できる内容となっている。第Ⅱ部の実施編では、全体設計、設問文の作り方、回答データの収集方法、データ分析のプロセスを詳解。第Ⅲ部の活用編は、結果が出た後の対応をさらに掘り下げ、対策の立案と推進のプロセス、さらに社外開示プロセスについて、事例を交え解説する。また、本書の末尾には、調査内製時に役立つ各種シート類がダウンロード可能な「読者Web特典」サイトへの案内が掲載されている。
■ エンゲージメント調査を、標準的な設問項目で構成し他社比較がしやすい「パッケージ型」と、自社にフィットした設問項目で企業の個性を反映できる「カスタマイズ型」に整理し、それぞれのメリット・デメリットを第Ⅰ部で提示。カスタマイズ型の調査を内製する企業だけでなく、パッケージ型、カスタマイズ型の作成を外部委託したいと考える企業にとっても、委託先事業者との間で認識の齟齬を防ぐために有用な知識がふんだんに盛り込まれている。調査の導入前、および導入に際して悩んでいる担当者や、調査結果を基にした対策を検討中のマネジメント層に最適な一冊だ。
人的資本経営を実現する「エンゲージメント調査」のつくり方・活かし方 内容紹介 人的資本経営という概念のもと、人材に関する情報開示が推奨される時代、人手不足やリモートワーク普及による従業員の状態把握の必要性も相まって、「エンゲージメント調査」の実施と結果開示への意識が高まっている。 しかし、「実施することが目的になっている調査」と従業員に感じさせてしまう調査では意味がない。 本書では、自社の特性に合った意識調査の設計・実行から地に足のついた対策の立案、人的資本開示のあり方まで、「従業員ファーストの調査=自社らしさを意識した調査」を継続的に実施するノウハウを解説。
事実や組織風土を定量化し、課題の早期把握と解決を促進する「エンゲージメント・サーベイ」実践の1冊。 |