一般社団法人キャリアマネジメント研究所 代表理事
四六判/224ページ/1600円+税/三笠書房
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ ダイバーシティ経営が世間に浸透し、多様な人材が活躍できる環境の整備が企業に求められている。その潮流に、慢性的な人手不足が相まって、近時は日本国内の企業で外国人材が担う役割がより大きくなっている。本書は、日本人に必要とされる「異文化対応力」の理解を目標に据え、外国人材マネジメントの要所について解説する。
■ 序章に当たる「はじめに」では、異文化を受け入れるためのスタンスを伝える。筆者は、多くの日本人が違いに戸惑いながらも行動を起こさない傾向があるため、まず「みんな違ってあたり前」の考えを持つことが重要だと説く。この前提を頭に入れて、第1章の職場での異文化、第2章の国・地域別の特性攻略を読み進めると、4コマ漫画で紹介されている各ケースにおける留意事項や問題点と、その後の説明パートの理解がより一層深まる。第3~5章では、「異文化の壁」の乗り越え方を、「考え方」「伝え方」「接し方」の観点から紹介。異文化理解のために実務で使える術が、これら三つの章に集約されている。
■ 第6章は、「職場以外にも広がる『異文化の壁』」とうたいつつ、接客時の言葉の壁を乗り越えるための工夫、「日本流おもてなし」が実際外国人にどう見られているかなど、ビジネスシーンでも注意が必要な事柄を多数扱っている。本書には、68のケーススタディーとそれに付随する説明や解説が収められているが、要点を簡潔な文章で総括しているため、スムーズに読み進められる。長年にわたり異文化マネジメントに携わる筆者が随所に詰め込んだ知見やデータ、経験則は、読者の「異文化対応力」への理解をより確かなものにしてくれるだろう。
内容紹介 ◆4コマまんがで楽しく読める、外国人材マネジメントの頼れる入門書! ◆日本人に必要なのは「異文化対応力」だ! |