株式会社日本総合研究所
A5判/264ページ/1900円+税/日本能率協会マネジメントセンター
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「管理部門のスタッフ」と位置づけられていた人事担当者も、近年では人的資本経営にコミットするなど、経営の中核的業務に携わる場面が増えている。社内外の多様なステークホルダーと関わり、労務管理から人事戦略に至るまで、幅広い業務を担うことが求められているといえるだろう。本書は、“いま” の人事担当者に必要とされる心構えや業務内容の基礎を体系的に分かりやすく示しており、新任・ベテランを問わず、また、人事以外のビジネスパーソンが読んでも役立つ内容となっている。
■ 本書は全6章構成で、88のトピックから成る。第1章では、人事管理の歴史や昨今のトレンドを交えつつ、人事部の役割や機能を振り返る。第2章では、モチベーションやエンゲージメント、組織風土や組織開発など、人と組織に関わる基本知識を解説。第3章では、人的資本経営や人材ポートフォリオ、サステナブル人事など、近時の話題を紹介する。第4章は「人事部の年間活動スケジュールと実務」と題し、人材確保、人材開発、処遇制度、人事評価など、具体的な実務をカテゴリーごとに詳説する。第5章は人事実務に最低限必要な法務知識をまとめ、第6章は人事部員に求められるコンピテンシーやコンプライアンス知識、人事パーソンのキャリアについて触れる。
■ テーマは広範にわたるが、ほとんどのトピックが見開き完結で、図解が豊富なため、“スキマ時間” を活用して読み進められる構成となっている。実務上の悩みを抱える人事担当者は、第4章を中心に自身の業務に関連する項目を優先的に確認するのもよいだろう。また、巻末付録の「人事部専門用語集」「人事部お役立ち情報源」は知識のおさらいに使えるほか、施策検討のための材料としても有用な資料となっている。業務で困った際にいつでも参照できるよう、手元に置いて活用したい。
図解でわかる 人事部員の基礎知識 役割・機能・仕事——部門に1冊の実務マニュアル 内容紹介 本書は、経営環境の転換期に直面する人事部員が身につけておくべき知識やスキル、コンピテンシーの全体像を多数の図表を交えて解説しています。 はじめて人事部に配属された方はもちろん、一定の経験を積んだ人事部員にとっても参考となるよう、広範かつ最新のテーマを盛り込みました。 |