エントヴィッケルン・ツークンフト株式会社 CEO
四六判/172ページ/1100円+税/秀和システム
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(以下、フリーランス法)では、受注者・発注事業者の義務と禁止行為が規定されており、違反した場合の罰則が設けられている。本書は、フリーランス法の押さえるべきポイントに加え、従来の下請法との違い、企業とフリーランスの関係がどのように変化するかについてさまざまな切り口で提示した、初心者にも分かりやすい解説書だ。
■ 前半はフリーランス法の成立背景や、発注事業者の義務項目・禁止行為などの基礎的内容を網羅する。後半は妊娠・出産・育児・介護に対する配慮義務、ハラスメント対策のほか、契約の解除・不更新にまつわる義務や規定を解説。さらにトラブル・違反事例、トラブルの解決手続きとしての行政機関への申し出やあっせんなど、フリーランスで働く人が発注事業者とビジネスを進める上で留意すべき具体例を挙げている。テーマごとに2~3ページで構成し、図を用いながら簡潔に紹介しているため、難解な法律も頭に入りやすい。また、付録の「発注事業者のためのあるあるチェック」や「契約書のひな型」も、自社の対応に問題がないかの再確認に活用できる。
■ フリーランス法は、多様な働き方を支援し、適正な取引環境を整備するものである。人事担当者としては、社員が副業でフリーランスとして働くことも考えられ、相談を受ける立場になる可能性もある。同法の詳細を学びたい読者はもちろん、「働き方」の変化に対応していかなければならない人事担当者にとっても役立つ一冊だ。
内容紹介 フリーランスは時間や場所にとらわれない自由な働き方ができたり、自分に合った仕事内容を取捨選択できたりするところが非常に魅力的です。その反面、契約や経理などの煩雑な作業を自分でこなさなければならず、関係する法律をある程度理解しておく必要があります。本書は、2024年11月から施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の詳細について、受注者・発注者が押さえるべきポイントを図解を交えながらコンパクトに解説した入門書です。 |