社会保険労務士法人 帝王労務管理事務所 代表社員
A5判/304ページ/1900円+税/同文舘出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 賃金のデジタル払いの解禁や、人材確保のために新卒初任給を引き上げる企業が相次ぐなど、近時の給与をめぐる動きが活発になっている。人事担当者としては、この潮流にキャッチアップすべくアンテナを張る一方で、給与計算に関する基本事項も押さえておきたい。本書の著者は、給与計算ソフトを用いたとしても、計算のための「最低限必要な知識」と、自社に最適な「具体的な計算方法」を知らなければ正しい給与計算はできないと説き、給与計算の途中で悩みを抱えやすいトピックや、ミスが起きることが多いポイントを解説する。
■ 第1章は給与計算に関わる基礎知識、第2章は給与計算をする上でのさまざまなルールを広範に紹介している。まずは「給与計算の実務について確認したい」という読者は、第3章から読み進めるのがよいだろう。同章では「遅刻・早退・欠勤時の減額計算」「住民税の特別徴収」「テレワーク対象者の労働時間の算出方法」など、総務・人事担当者が実務で直面する手続きについて、具体的なケースや時間、金額などを例示しながら要点を分かりやすく説明している。近年の育児休業取得の浸透、企業のメンタルヘルスへの取り組み強化の動きなどから、休業中の給与計算について触れる第4章にも目を通しておきたい。
■ 業務としては年1回だが、従業員ごとに多様な対応が求められる年末調整については、第6章で大きく紙幅を割いて取り上げている。その他の章では、退職金の計算(第5章)、社会保険算定基礎届の申告ほか毎年発生する手続き(第7章)などを扱う。実務で想定されるさまざまな業務をトピックとして網羅し、図表を用いながら簡潔かつ丁寧に説明しており、人事初任者は給与計算の基礎知識の学習のために、2~3年目の担当者は実務で不明点が生じた際の手引書として活用したい。
内容紹介 給与計算ソフトさえ導入していれば、正しく計算できるというのは間違いです。 しかし、基本的な給与計算の考え方は変わることはありません。 ◎最低限必要な法律や制度(労働基準法、36協定、変形労働時間制、平均賃金など) ◎自社に最適な計算方法(毎日・毎月・毎年発生する業務、就業規則など会社のルール確認) ◎実務でよくあるQ&A(間違えやすい項目や、イレギュラーなケースに対応するヒント) 初めて給与計算を担当することになった新人も、自分のやり方が正しいかどうかわからない2~3年目の担当者も、「正しい給与計算」ができるようになる1冊です。 |