Unipos株式会社代表取締役
四六判/314ページ/2200円+税/東洋経済新報社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 2023年より、上場企業には人的資本の情報開示が義務化されている。しかし、著者が実施した、国内外の企業における延べ5000件の統合報告書等公表資料のリサーチ結果によれば、開示状況は各社に大きな差があるという。本書は日本企業に人的資本経営が求められる理由、実践までの具体的なフレームワークやプロセスを詳解する、人的資本経営の実践書である。
■ そもそも「人的資本経営」とは何か、「人を大切にする経営」と何が異なるのか、などの基礎的なQ&A、国主導で法整備や施策が進められている背景、日本企業が直面している課題の解説が盛り込まれた第3章まで本書を読み進めると、人的資本経営の重要性が理解できる。日本企業の有価証券報告書における情報開示レベルを著者がリサーチした結果を基に、「よい人的資本開示」を考える第4章は、自社の開示状況と比較しながら読み進めることで新たな発見を得られる内容だ。第5章以降は人的資本経営に近づけていくための具体的な考え方が解説されており、五つのステップから成る人的資本経営フレームワーク(第6章)や、模範的な人的資本開示を進める企業事例(第7章)と続く。第8章の人的資本経営の推進における有識者と著者の対談では、さまざまな角度から人的資本経営の現在地、取り組む上での優先課題に迫っている。
■ 著者は現在の人的資本経営への動きが社会的な特異点であるとし、社会の「良質な変化」の速度を上げるべく、リサーチと発表を続けている。経営戦略と人事戦略を有機的に結び付ける、自社ならではの人的資本経営の方向性を考え、実行する上で、本書は頼れる伴走者となってくれるだろう。
5000の事例から導き出した 日本企業 最後の伸びしろ 人的資本経営大全 内容紹介 ◎「人的資本経営」について知りたい人が、最初に必ず読みたい「入門書」! ◎ 読めば必ず役に立つヒントが満載!「実務」で必要なことが全部わかる「超実践書」! 組織は結局、人がすべて!
人と組織を強くする経営のエッセンスが詰まった、ビジネスパーソン必見の一冊です! |